麦の会は、もともと障害者を対象とした活動を中心にボランティアグループとして発足した。社会福祉協議会も地域ぐるみで福祉事業が昭和５２年から始まったばかりで、ボランティア活動のとりまとめもできず、ボランティアも登録しても活動方法や内容がわからなく、発足当時は色々な活動に参加していた。点訳も試みたが、点字の読める視覚障害者がなく、市の広報を朗読してテープに吹き込み届ける活動をすることになった。昭和５６年ころからは、少しずつ社協でも地域ぐるみ福祉活動が展開され、そのためにこの会も小さなグループから大きくなり始めた。
　結成年月日については、当時の資料がなく、昭和５２年１月１０日の可能性もあるが、昭和５５年１月には記録があったため、活動開始年月日を現在昭和５５年１月としている。

経過
　●昭和５５年１月に結成され、身体障害者の介助を中心に活動を展開した。
　　身体障害者に対して、手話、朗読、館山市福祉作業所の手助けなどをするかたわら、市内在住の□障害者２４名（１〜２級）の方を対象に、市の広報を毎月１回録音して、希望者に３人のボランティアが直接訪問して届けた。
　●昭和５５年１２月２０日、郵政大臣より、盲人用録音物等発受施設の指定を受け、無料でテープを郵送できるようになった。
　●昭和５６年６月、市教育センター（当時教育放送センター）に、高速ダビング機を備え、多くの障害者への配布が可能となった。
　●昭和５６年６月１５日、館山ライオンズクラブより、テープレコーダー１５台寄贈を受け、館山市社会福祉協議会を通じ、市内の視覚障害者「声の公報」を希望する１５名に配布した。対象者が４６名に増加した。
　●昭和５６年６月２４日・７月８日・７月２２日、ボランティア専門養成講座を開催し、３０名の受講があった。この受講者の中で２０名がボランティアとして登録し、グループに加わった。このときより、グループをＡ・Ｂ・Ｃの３つに分け、４〜５名でその月の朗読をするようになった。
　また、備品（消磁器・整理棚）も市社協で備えた。講師は稲垣勝彦氏（元ＮＨＫアナウンサー千葉点字図書館講師）
　●昭和５６年１１月１０日、第１回千葉県公報コンクール、声の公報の部門において、県知事賞を受賞した。このとき、ＢＧＭの著作権の免除申請をし、各レコード会社に快く許可していただけた。
　●昭和５７年１月１７日、このときより９０分テープを使用し、民謡などを取り入れる。
　●昭和５７年２月８日、館山ライオンズクラブより、テープレコーダー１０台・オープンデッキ、カセットデッキ、マイク、オープンテープなどを寄贈される。
　●昭和５７年１１月９日、第２回千葉県公報コンクールにおいて、県視覚障害者福祉協議会長賞を受賞。
　●昭和５７年１２月１日、今まで個人のステレオアンプを使用していたが、市社協でアンプを備えた。

　●昭和５８年9月6日・７日、活動中のボランティア20名を対象に、ボランティア専門養成講座（中級）を開催し、技術向上に努めた。

　　講師は稲垣勝彦（元NHKアナウンサー千葉点字図書館講師）

　●昭和５８年１０月24日、第3回千葉県広報コンクールにおいて、佳作となる。

　●昭和59年1月19日「ニューライフ千葉」から取材

　●昭和59年9月1日、災害予防テープ「地震に備えて」を300本作成し、市内の寝たきり老人・障害者に配布

　●昭和59年10月1日・8日・15日・22日、仲間の増員を目的に、ボランティア専門養成講座を開催。17名受講、28名のグループになる。

　　講師は稲垣勝彦（元NHKアナウンサー千葉点字図書館講師）

　●昭和59年11月15日、オープンテープ消磁器を備えた。少しずつ受給者を民生委員等にお願いし、増やしていく。58本配布。

　●昭和59年11月16日第４回千葉県広報コンクールにおいて、県福祉財団理事長賞を受賞。

　●昭和60年10月30日、ボランティア専門養成講座（中級）を開催し、18名参加。

　　講師は稲垣勝彦（元NHKアナウンサー千葉点字図書館講師）

　●昭和62年2月6日・13日・20日、ボランティア専門養成講座（中級）を開催し、技術向上につとめる。

　　講師は西村喜美江（元文化放送アナウンサー）

　●昭和62年10月、市の広報を朗読するだけでなく、街の声を収録し、各グループでテーマを決め、テープ作成計画をたてる。市社協よりテープレコーダー購入者に対し事業補助を受ける。

　●昭和63年1月27日〜3月3日計10回　新規会員募集

　　講師は穂坂俊明（元NHKアナウンサー）

　●平成２年３月26日　結成10周年記念事業として稲垣先生をかこんで、童話の読み方を受講

　●平成５年7月5日・12日・19日、新規会員募集の養成講座開講27名受講（新規10名）

　　講師は安原素子（千葉点字図書館朗読ボランティア）

　●平成８年5月27日〜28日、結成後初めて１泊の伊東市社協へ研修視察実施。16名参加

　●平成８年8月館山市社会福祉課協力で、視覚障害者にテープの紹介をし、受給者増員

　●平成９年2月3日〜17日ボランティア養成講座（中級）実施

　　講師は安原素子

　●平成14年11月26日〜27日ボランティア養成講座実施。19名参加。

　　講師は会長　浦上恵美

　●平成15年4月24日〜25日、1泊の研修視察実施。